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2007年5月15日 (火)

『旧制中学入試問題集』

200705151309000

『旧制中学入試問題集』武藤康史著/ちくま文庫

面白い本を見つけた。

近頃は「旧制中学のリベラルアーツ教育を見直すべきでは?」などと、所謂、教養の大切さが言われているようであり、実際にそれを体現すべく、あちこちの大学で対策がされていると聞く。

旧制中学は今話題の中学受験生にあたる年頃の子供たちが受ける。

したがって、この本に取り上げられている問題は、例えば、我が家なら丁度息子が受けるということになる。

例を挙げてみる。

【国語】

二、左ニ示セル文語ノヨミカタトワケヲカケ

  智勇兼備、優勝劣敗、交通頻繁、百貨輻湊、協力同心。(明治35年 鹿児島県立川内中学校))

二、次の文をだれにもわかるよーにとけ。

  守備少数にて暴徒の勢の敵すべくもあらざりければ、さらに本国より兵を送りて公使以下の居留民をすくはんとせり。(明治40年 兵庫県立姫路中学校)

一、左ノ語句及ビ歌ヲ下段ニ口語ヲ用ヒテ解釈セヨ

  海行かば水づくかばね、山行かば草蒸すかばね、大君の辺にこそ死なめ、顧みはせじ。(大正4年 陸軍地方幼年学校)

四、我が日本の国歌(君が代)の意味をお書きなさい。(昭和8年 桜蔭高等女学校)

【算数】

(9)東宮殿下ハ大正十年三月三日東京御出発ニテ御渡欧アラセラレ、同年九月三日東京御還啓遊バサレタリ、御出発ヨリ何週間目御還啓遊バサレシカ。(大正11年 徳島県立徳島第一中学校)

(4)世界大戦争は大正3年ニ始リ同8年ニ終ツタ。神武天皇即位紀元何年カラ何年マデ続イタカ。(昭和10年 東京府立第四中学校)

カタカナだったり、「ように」が「よーに」だったり、質問がするりと入らないものもある。それにしても・・・と私が感じた事は以下の通りである。

1.時代と言えばそれまでだが、質素倹約を説く、戦争を鼓舞する、国民として体が丈夫でなければ国の役に立たない、何があっても天皇陛下などこれでもか、という感じの出題である。

2.例文が無いので、正解がいくつも出そうな書き取りなど、例えば、「セイカイ」正解、政界もそうだが、そのような”詰めの甘い”出題が多い。

3.○○を説明しなさいというものが多い。内容はともかく、語彙力、文章力がないととても書けそうもない。

当時の時代背景を考えれば、かなり「難しい」。驚いたことに、大正時代にはすでに受験勉強の弊害が言われていたとのこと。

尋常小学校卒レベルと、これら上記のような試験に受かって帝大に行くような為政者レベルの学力格差は、今以上であったに違いない。

しかし・・・これに満点を取れるような教育も、想像するにまた痛々しい。

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コメント

これはおもしろいですね。さっそくチェックしてみます。昔、明治時代の英語の大学入試問題が何かについていましたが、今とほとんどかわらないので驚いた覚えがあります。

投稿: VIVA | 2007年5月15日 (火) 17時36分

ご無沙汰(?数日じゃないか)してました。
いや、面白いです、これ。是非、お薦め。
英語も少しありましたが、確かにこれはあまり意表を突く内容ではありませんでした。

やっぱり、国語が時代を表しますね。「ヘイタイサン、ススメ」とかね。考えすぎ?

投稿: bucky | 2007年5月16日 (水) 10時46分

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